CIO Handy Fan 公式解説|風で涼むだけの1台にしなかった理由

結論から申し上げると、CIO Handy Fanは「携帯扇風機」という言葉から想像されるものより、かなり欲張りな製品です。風を送るだけでなく、肌に触れて冷たさを感じるペルチェ冷却プレート手持ち・首かけ・卓上の3WAY、そして3,400mAhのモバイルバッテリーまでを1台にまとめました。なぜそこまで詰め込んだのか、設計の考え方をメーカー公式としてご紹介します。

本記事は2026年7月時点の情報です。製品仕様は公式製品ページの記載にもとづき、開発の経緯は当社公式YouTubeの製品紹介動画および開発秘話動画の内容をもとに構成しています。

スペック

型番CIO-HAFAS-MB15W1C-3K
価格メーカー希望小売価格 ¥9,980(税込)
バッテリー容量3,400mAh/3.6V/12.24Wh
送風性能前後2枚が逆回転する二重ファン構造/弱・中・強・ターボの4段階調整
冷却機能半導体(ペルチェ)冷却プレート
首振り台座使用時に左右120度の自動首振り
連続使用最大約6.5時間(風量:弱・冷却プレートOFF)/冷却プレートON時は最大約1時間
充電USB-C入力 5V/3A(最大15W)・約99分で満充電/完全パススルー充電対応
出力USB-C出力 5V/3A(最大15W)・スマホへの直接充電に対応
サイズ本体 約205×51×83mm(約275g)/台座 約96×35mm(約125g)
カラーブラック/ホワイト
その他Mag-Snap Connect(交換式コネクタ)・温度自動制御・約500の充放電サイクル設計

この製品は、ご要望から逆算して作りました

CIOは充電器とモバイルバッテリーのメーカーですが、「ハンディファンを作ってほしい」「冷却グッズが欲しい」というお声を毎年いただいてきました。そこでライブ配信でハンディファンの作戦会議を開き、視聴者の皆さまから直接ご要望をうかがってから設計に入りました

すでにある製品と同じものを作っても意味がありません。デザインが良いだけで買ってくださいと申し上げるのも、私たちにはおこがましく思えました。それなら、いま使っている方が何に困っているのかを先に聞こう、という順番で始まった製品です。

実際に挙がったご要望と、それがどの機能になったかを並べます。

いただいたご要望CIOでの答え
充電しながら使えない。数時間で切れるのに、家や職場でも使い続けたい単に充電しながら動かせるだけでなく、満充電後はバッテリーを経由せずファンへ直接給電する『完全パススルー充電』を採用しました。
風量がまばらで、思ったより風が弱い前後2枚が逆回転する二重ファンで、弱・中・強・ターボの4段階調整。暑い屋外でもしっかり風が届く。
丸い形のモデルは立てかけられない。置くとガタつく。昼食中も風を当てたい台座に置けば左右120°の自動首振りに対応。デスクやキッチンでも、手を使わず快適に送風。
手で持ち続けるのが大変。首に掛けてハンズフリーで使いたい手持ち・首かけ・卓上の3WAY設計だから、通勤やイベントでも両手が空いて快適。

「充電しながら使えない」が最も多かったご要望でした。ハンディファンは4〜5時間ほどで電池が切れる製品が多く、外だけでなく家や職場でも使い続けたいのに、途中で充電待ちになってしまう。この一点を解決するために、モバイルバッテリーで培った完全パススルーを持ち込みました。

「ハンディファン」なのにモバイルバッテリー?

はい。持ち手部分がそのまま3,400mAhのモバイルバッテリーで、ファンから取り外して単体で使えます。収納式のUSB-Cコネクタを引き出せば、ケーブルなしでスマートフォンに直接挿して充電できます(最大15W)。
持ち手部分がそのままモバイルバッテリーになる

夏の外出で困るのは、暑さとスマホの電池残量がだいたい同時にやってくることです。ファンとモバイルバッテリーを別々に持てば、荷物は2つになります。それなら1つにまとめてしまおう、というのがこの構造の出発点でした。

ファンと充電スタンドが分離するハイブリッド構造のため、屋外では手持ち・首かけ、室内ではスタンドに置いて卓上扇風機として使えます。通勤や通学、駅やバス停での待ち時間、キャンプ、デスクワーク、キッチン、お風呂上がりまで、これ1台で夏の暑さ対策・熱中症対策にあたれます。

ペルチェ冷却プレートとは何ですか?

ファンの中心にある半導体(ペルチェ)素子の金属プレートです。冷たい風を出す機能ではなく、プレートに肌が触れることで冷たさを感じる機能です。首元・手首・額に直接当てて使います。

ここは誤解が生まれやすいところなので、正確にお伝えします。エアコンのように周囲の空気を冷やすものではありません。一方で、マスクのムレや汗ばむ季節の火照りに対しては、風だけの製品とはまったく違う体感になります。

正直な注意点もお伝えします。冷却プレートをONにすると、連続使用時間は最大約1時間まで短くなります(風量:弱・冷却プレートOFFなら最大約6.5時間)。冷却プレートは「ずっとつけっぱなしにする機能」ではなく、暑さのピークで使う切り札としてお考えいただくのが実際の使い方に合っています。

風で涼むだけでなく、直接当てて冷たさを感じられる

ペルチェは「いる・いらない」で意見が割れました

正直に書きます。作戦会議で最も意見が分かれたのが、この冷却プレートを載せるかどうかでした。

「いらない」というご意見が相当ありました。理由は主に2つで、「風が涼しくならないから意味がない」「その分コストを抑えてほしい」というものです。前者については、他社製品を実際に使って「涼しくなると書かれていたのに風は全然冷たくならなかった」と感じた経験をお持ちの方が少なくありませんでした。

私たちの理解では、これは製品の不良ではなく原理の説明不足です。ペルチェのプレートを風が通過して冷風になる仕組みではありません。風は風、プレートはプレートで、役割が別なのです。ここが伝わっていないまま「涼しい」と売られると、当然がっかりされます。

もう一つ、衛生面のご心配もいただきました。肌に当てるものなので、汚れが目立つのは避けたいというお声です。

迷った結果、搭載しました。判断の理由は、追加コストが極端に大きくなるわけではなく、使い方の幅が確実に広がると考えたからです。ただし「風が冷たくなる製品」としては打ち出していません。

衛生面については、プレートに手を打ちました。中身はアルミプレートですが塗装を施し、ペルチェが入っていると見て分からない仕上げにしています。見た目が露骨にならず、アルコールスプレーや布で普通に拭いていただけます。加えて長押ししなければ冷却機能は作動しないため、人にお貸しするときも意図せず動く心配がありません。

デスクでつけっぱなしにしても大丈夫ですか?

問題ありません。満充電になると自動でファン専用の直流回路に切り替わる「完全パススルー充電」を採用しているため、USB給電でつけっぱなしにしてもバッテリーへの負担を抑えられます。

この完全パススルーという考え方は、CIOのモバイルバッテリーで培ってきたものです。「常に電源につないだまま使いたい」という道具は、電池を経由し続けると劣化が進みます。そこで満充電後は電池を介さない回路に切り替える。据え置きでも安心して使い続けられるように、という設計です。

台座に置けばボタン操作で左右120度の自動首振りが働きます。同じ場所に風が当たり続ける不快さが減るため、デスクやキッチンの置き型としても使えます。

左右120°の自動首振りで、風が心地よく広がる

なぜ接続部にUSB-Cを使わなかったのか

ここは、メーカーだからこそ書ける部分です。台座と本体の接続部にUSB-Cを採用するかは、社内でも検討しました。それでも採用しなかったのには理由があります。

ハンディファンは、モバイルバッテリー以上に手荒に扱われる道具です。カバンに放り込み、片手で持ち歩き、台座には雑に置かれます。その使われ方でUSB-C端子を毎日抜き差しすれば、端子の破損リスクが現実的な問題になります。そこで、雑に置いてもより接続が安定するMag-Snap Connect(マグネット式の接続コネクタ)を選びました。

さらにモバイルバッテリーとして使用するコネクタは交換できる設計です。万が一破損しても、本体ごと買い替えていただく必要はありません。約500サイクルの充放電を想定し、温度が上がったときには出力を自動で抑える制御回路も入れています。

「置くだけ充電」は、CIOのケーブルから生まれました

本体の底面には金属の電極(ポゴピン)が並んでいます。台座に置くだけで充電が始まる仕組みで、ケーブルを探して差す手間がありません。

この電極は、CIOのマグネットケーブルで使っていたポゴピンの技術を転用して生まれたものです。マグネットケーブルはデータ転送も担うためピン数が多いのですが、こちらは充電専用なのでピン数を絞りました。通電してよいかを確認し、問題がなければ充電が始まる仕様です。

なお、充電を行う底面のポゴピンとは別に、パーツ同士(ファン本体と持ち手部分)は物理的にしっかりロックがかかる構造を採用しました。 付属のカラビナ付きストラップでカバンに吊り下げて持ち歩いても、振動や衝撃で脱落しないよう配慮しています。この「ストラップをカラビナ仕様にする」という発想自体も、以前から手がけているカラビナ付きケーブルホルダー(ケーブルをアクセサリーとして持ち歩き、必要なときに取り出す)の考え方から来ています。

ハンディファンという一見まったく別のジャンルの製品ですが、これまでCIOが充電器・ケーブル・モバイルバッテリーで積み上げてきた技術があったからこそ、この形に行き着きました。中に入っている要素をたどると、現時点のCIOの考え方がそのまま出ている製品だと思っています。

なお、「USB-Cが使えない製品」ではありません。持ち手(バッテリー部)のUSB-Cコネクタは入力にも出力にも対応しています。台座経由でも、USB-C入力でも充電できます。

ユーザーの声に応えた「メスメス端子」の緊急追加

開発の最終段階において、ユーザーの皆さまからの「台座がない環境(車内や外出先など)でも、本体に直接ケーブルを挿して充電したい」というお声に応え、「USB-Cメスメスコネクタ(充電専用アタッチメント)」の緊急同梱を決定しました。

「ハンディファン本体で充電できひんの辛いな、という声を結構いただいたんですよ」

本来、本機は底面のポゴピン(台座経由)で充電する設計ですが、この専用コネクタを噛ませることで、お手持ちのUSB-Cケーブルから直接本体への給電が可能になります。

単に端子を変換するだけでなく、モバイルバッテリー同士を繋いだ際の給電トラブルや過放電を防ぐため、「電力の流れる方向を一歩通行にする」という専用の制御を施しました。

「もう、このために作った」と言い切るほどこだわったこの小さなコネクタには、ユーザーの声を取り入れて即座にプロダクトを進化させる、CIOのモノづくりへの姿勢が凝縮されています。

技術を詰め込んだ極小コネクタ。モバイルバッテリーからの直接給電を実現

Handy Fanが適している方・適していない方

適している方: 通勤・通学や屋外での待ち時間、デスクやキッチンなどさまざまなシーンで快適に使いたい方。手持ち・首かけ・卓上の3WAYに加え、冷却プレートやスマホ充電機能など1台に多くの機能を求める方、夏の外出時の荷物を減らしたい方。また、単なる扇風機にとどまらないギミックや多機能さ、使い方を発見する楽しさを味わえるガジェットを求める方にもおすすめです。

適していない方: とにかく軽さや小ささを重視したシンプルなファンをお探しの方。本機は冷却プレートやバッテリーを搭載した多機能モデルのため、一般的なハンディファンより重量があります。また、冷風を送り出すタイプではなく、冷却プレートが肌に触れることで直接ひんやり感を得る仕様となっています。

一緒に使うと、こう便利

デスクで: NovaPort SLIM QUAD for DESK / Polaris CUBE DESK — 台座のUSB-C入力につないでおけば、完全パススルーでつけっぱなしのまま卓上扇風機として使えます。同時にスマホやPCの充電もまとめられます。
外出で: SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 Pro SS10K — CIO Handy Fanを長時間楽しみたい時に活躍する組み合わせ。Handy Fan本体のバッテリーは3,400mAhのため、長時間の外出ではモバイルバッテリーとの併用がおすすめです。専用コネクタを使用することで、ファンのUSB-Cポートから充電も行えます。
移動で: NovaPort SLIM DUOⅡ 45W — 移動先で短時間に充電しておきたいときに。Handy Fanは約99分で満充電になります。

よくある質問

冷たい風が出ますか?

いいえ。冷却プレートは肌に触れることで冷たさを感じる機能で、冷風を出す機能ではありません。周囲の空気を冷やすものではない点をご了承ください。

どのくらい連続で使えますか?

風量「弱」で冷却プレートをOFFにした場合、最大約6.5時間です。冷却プレートをONにすると最大約1時間程度まで短くなります(いずれも満充電からの目安で、使用状況により異なります)。

飛行機に持ち込めますか?

バッテリー容量は12.24Wh(3,400mAh/3.6V)で、一般的な機内持ち込み基準である100Wh以下に収まります。ただし各航空会社の規定が優先されますので、ご利用前に必ずご確認ください。

スマホは何回くらい充電できますか?

本機のバッテリーは3,400mAh(定格容量1,600mAh・5V/3A時)のため、スマートフォンのちょい足し充電に適した容量です。1回分をしっかり充電したい場合は、別途モバイルバッテリーの併用をおすすめします。

コネクタが壊れたら本体ごと交換ですか?

いいえ。持ち手のUSB-CコネクタはMag-Snap Connectで交換できる設計のため、本体ごと買い替えていただく必要はありません。

肌に当てる部分の衛生面が気になります

冷却プレートは塗装したアルミプレートのため、アルコールスプレーや布で拭いていただけます。また冷却機能はボタンの長押しで作動する仕様のため、人にお貸しする際に意図せず動作することもありません。

充電しながら使えますか?

使えます。満充電後は自動でファン専用の直流回路に切り替わる完全パススルー充電を採用しており、卓上での長時間使用でもバッテリーへの負担を抑えます。

CIOはこれからも「多機能と最新テクノロジーでわくわくする未来をつくる」を軸に、製品と情報をメーカー目線でお届けしていきます。